話題になっている幹細胞コスメですが、原料となる幹細胞には3つのも種類があるため「どれを選べば良いのか分からない…」と感じている方も多いと思います。

そこで、幹細胞化粧品の原料の種類別に、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのかを詳しく紹介していきます。

ヒト由来幹細胞

まずは最も注目度の高い「ヒト幹細胞」からご紹介します。

どんな特徴があるの?成分は?

特徴

線維芽細胞由来幹細胞よりも、ヒト脂肪由来幹細胞のほうが細胞活性化に強いといわれており、「万能細胞」とも呼ばれています。

また、ヒト由来のため、拒否反応が出にくいのも大きな特徴。敏感肌の方やアトピー肌の方でも安心して使用ができますね。

成分

わたしたち人間の幹細胞を培養して作られた成分で、コスメ・医療においては「ヒト脂肪由来」の幹細胞が多く使われています。

タンパク質や酵素、ビタミンのほか、成長因子(グロウスファクター)と呼ばれる、細胞の成長を促す物質が豊富に含まれています。

ヒト由来幹細胞に含まれる主な成長因子
EGF(表皮細胞成長因子) お肌のターンオーバーを促進し、シミ・くすみを改善させる
FGF(線維芽細胞成長因子) コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを増やす
PDGF(血小板由来成長因子) コラーゲンなどの産生・増殖に関わる「線維芽細胞」の増殖を促進させる
TGF-β(トラスフォーミング成長因子) ニキビなどの炎症を抑える「抗炎症効果」などがあり、肌質改善役割をもつ
VEGF(血管内皮増殖因子) 新たな血管を作り出し、血流を改善させるなどのはたらきをもつ

これらの成長因子で、古くなってしまったお肌が再生される効果が期待されています!

メリット

ヒト由来の幹細胞培養液には500ものタンパク質成分など、古く鈍くなった細胞を活性化させる働きがあります。

さらに、タンパク質成分が有している「サイトカイン」という物質には、細胞を活性化させるために必要な情報伝達物質が豊富に含まれていることで知られています。

サイトカインの主な働き

  • お肌の老化を抑制する
  • お肌の組織を再生させる
  • 発毛を促進させる
  • 美白を促進させる

ヒト由来幹細胞培養液含まれるタンパク質物質

  • コラーゲン
  • ヒアルロン酸
  • エラスチン

これらは全てお肌のハリ・ツヤ、弾力、潤いをキープするために必要なタンパク質で、年齢とともに減少しがちです。ヒト由来幹細胞にお肌の印象を変える物質がこんなに入っているなんて驚きですよね。

その他の含有成分

  • 抗酸化酸素(SOD)
  • ビタミン

といった、お肌の健康を守るのに欠かせない物質も含まれています。

抗酸化酸素(SOD)は、シミやシワを発生させる原因でもある老化物質「活性酸素」の除去に優れています。シミやシワといった老化サインに悩まされている方に嬉しい成分です。

ヒト由来幹細胞に期待できる効果

  • メラニンの分解を妨げられ、シミができないようになる
  • 美白効果
  • 保湿効果
  • 血行促進
  • 新陳代謝アップ
  • 抗炎症作用

ご紹介したような有効成分・物質や期待できる効果が他の幹細胞よりも多く、幹細胞のなかでも最も効果が高いといわれているんです。

デメリット

メリット豊富なヒト由来幹細胞ですが、デメリットもあるんです。

価格が高い

ヒト由来の幹細胞は期待できる効果が多く、わたしたちの体の成分を使った「生体由来成分」であるため、管理も化粧品化も大変難しいことから、価格はほかの原料由来の幹細胞コスメよりも価格が高いのがデメリットです。

安全性について議論されてることがある

ヒトの脂肪が主な原料であるヒト由来幹細胞は、生体由来のため「病気に感染するのでは?」と、一部で安全性を危惧する声があります。

しかし、美容大国のアメリカ、韓国ではすでに一般的なコスメとして巨額のマーケットを獲得しているだけあり、ひどいアレルギーや副作用の報告はないようです。

また、先ほどもご紹介した通り、ヒト由来幹細胞をコスメに使う場合は厳重な管理が重要で、いくつもの試験に合格しないと販売ができません。さらに、幹細胞コスメの主な用途は「肌への湿布」です。そのため、病気感染の心配は杞憂ともいえるでしょう。

メーカーによってはあまり高品質でない培養液を使っている可能性がありますが、その場合は健康には影響が出ることはなく、美容効果に影響が出る程度(シミやシワが改善されないなど)であるといわれていますので、安全性に関わる心配は不要といえるでしょう。

動物性幹細胞

どんな特徴があるの?成分は?

ヒトの皮膚の幹細胞に近い構造の羊の幹細胞を使うことで知られている動物由来幹細胞です。

特徴

ヒトの幹細胞に似ているだけでなく、羊は病気になりにくく、お肌に悪影響を与えにくいという特徴があります。

また、羊の幹細胞の品質は、生育環境の良し悪しで決まるとも言われています。食べ物やストレスの有無で生育環境が決まるため、購入の際は生育環境をよく調べておく必要があるといえるでしょう。

成分

羊の毛根や、羊のプラセンタ(胎盤)から抽出されたものが主な成分です。

メリット

人間の皮膚幹細胞に近いため肌馴染みが良い点が第一のメリット。ただし、肌馴染みの良さや幹細胞がもつアンチエイジング効果はヒト由来のものにはやや劣ります。

デメリット

安全性に疑問

先ほども少しお話した通り、羊の幹細胞の品質は生育環境で決まります。ただし、生育環境が良くない場合は原料の安全性が低くなる場合があります。購入前には原料の加工方法や生育環境のチェックが必要といえるでしょう。

流通量が少ない

安全性に加え、動物愛護の視点からも意見がさまざまであるのも動物由来幹細胞がもつ大きな特徴かもしれません。

動物愛護上の理由により、ほかの原料由来の幹細胞コスメに比べると流通量が少なく、購入がやや難しいという点もデメリットですね。

植物幹細胞

どんな特徴があるの?成分は?

手軽に入手でき、コスメ化しやすいといわれている幹細胞です。

特徴

どこを切っても幹細胞であるのが、植物幹細胞の一番の特徴。そのため、植物由来の幹細胞コスメは実に多く販売されています。加工方法はメーカーによりけりですが、各社独自の研究・開発方法で多様な植物から幹細胞を抽出しているといわれています。

植物の幹細胞を取り出した後に人工培養で増やした際に抽出したエキスをコスメに使用します。

ヒト由来の幹細胞は肌なじみも細胞との相性も良いため幹細胞の活性化効果が期待できますが、植物由来の成分はわたしたちの細胞には作用しにくいため、細胞若返り効果はヒト幹細胞コスメよりもやや弱いことも特徴です。

成分

植物由来の幹細胞には、下記のようなものがあります。

代表的な植物由来幹細胞

  • りんご
  • モロッコのアルガンツリー
  • 高麗人参
  • カミツレ

これらをはじめとした植物幹細胞には、「フィトケミカル」という機能成分が含まれています。フィトケミカルには内側からお肌の再生を促すはたらきがあり、お肌の老化防止にも有効であるともいわれていますよ。

植物由来幹細胞に期待できる効果

  • 抗酸化作用
  • コラーゲン増加効果
  • メラニン生成抑制効果
  • アクアポリン3活性効果

抗酸化作用は、体・お肌の老化やサビつきを予防してくれるはたらきを指します。シワやシミなども防止してくれる作用です。

また、アクアポリン3は毛細血管のない細胞に栄養素などを運ぶ水の通り道。このアクアポリン3を活性化させると細胞そのものが潤うといわれています。

抗酸化作用やお肌に潤いをくれるアクアポリン3の活性効果をはじめ、お肌のツヤ・ハリに欠かせないコラーゲンを増やしてくれ、シミの元・メラニンを抑制してくれるなんて素晴らしいですよね。

メリット

お手頃価格!

植物から大量に採取できる植物幹細胞。採取・加工のしやすさもあり、他の2種類の幹細胞に比べると植物幹細胞を利用したコスメはお手頃な価格で購入できます。

安全性が高く、エイジングケア能力も抜群

さらに、この植物由来幹細胞は、ほかの2種類の幹細胞に比べて、現在もっとも安全性が高い幹細胞といわれています。先ほどご紹介した抗酸化作用やコラーゲン増加効果など、エイジングケアを重視したい方で節約をしたい!という方には理想的な成分といえるでしょう。

種類が多い

植物幹細胞は多種多様な植物から採取できるため、多くの種類のコスメを生み出せるのも大きなメリット。そのため、自分の好きな使用感のものも選びやすいですね。

デメリット

価格の安さや安全性などの嬉しいメリットがあるとはいえ、デメリットもあります。

ヒト由来よりもお肌になじみにくい

細胞そのものの表面には、特定の形のカギ穴(レセプター)があり、そのかぎ穴にフィットするカギ(リガント)という物質がくっついて初めて細胞が活性化されます。そのため、カギ穴にぴったりフィットするカギがないと細胞の活性化は始まりません。

植物幹細胞には抗酸化作用やコラーゲンの増加効果などもありますが、実は植物細胞にはこのカギとカギ穴のしくみはないといわれています。というのも、レセプターとリガントの仕組みはヒトや動物にしか存在しないから。

植物とヒトの細胞は仕組みが全く異なるため、ヒト由来に比べると植物由来の幹細胞はお肌になじみにくいといわれているのです。

まとめ

幹細胞の特徴を種類別にそれぞれご紹介しました。幹細胞と一口に言っても、原料となる素材が異なると得られる効果やメリットも全て異なりますね。

それぞれにメリットはありますが、コスメとして日常使いするなら、拒絶反応がなく細胞の活性化の見込みが大きい「ヒト由来幹細胞」か、価格も手頃で安全性の高い「植物由来幹細胞」が使いやすくオススメといえるでしょう。